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『蜷の綿-Nina’s Cotton-』<藤田貴大演出版>公演延期について

平成28年1月21日

 

各 位

 

公益財団法人伊丹市文化振興財団
伊丹市立演劇ホール

 

 

『蜷の綿-Nina’s Cotton-』<藤田貴大演出版>公演延期のお知らせ

 

演出家・蜷川幸雄氏におかれましては、昨年12月中旬、軽度の肺炎と診断され、入院いたしました。その後、1月上旬から稽古に入る予定だった新作『蜷の綿-Nina’s Cotton-』に向けて療養を続けておりましたが、体力の回復が十分でなく、本人、ご家族、主治医、関係者と話し合いを重ねた結果、公演を延期すべきとの結論に至りました。
本作『蜷の綿-Nina’s Cotton-』は、蜷川幸雄演出版と合わせて、藤田貴大氏の演出による「マームとジプシー」版とのカップリング作品として企画されました。このたびは、蜷川幸雄演出版の方針に沿いたいという藤田氏の意向を尊重し、藤田貴大演出版も公演延期という仕儀になりました。
公演の準備を進めていた蜷川幸雄氏と藤田貴大氏、出演者およびスタッフ一同にとっては苦渋の決断でしたが、今は蜷川幸雄氏の体力回復が最優先であると考えております。
公演を楽しみにされていたお客様、並びに関係者の皆様にはご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。あらためて公演を実施できるよう探っていきたいと考えております。どうかご理解のうえ、引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 

 

 

(公演延期)『蜷の綿-Nina’s Cotton-』藤田貴大演出版
(添付資料) 蜷川幸雄氏コメント、藤田貴大氏コメント

 

 

以上

 

お問合せ 

アイホール TEL072-782-2000(9時~22時・火曜休館) 


 

 

(蜷川幸雄氏コメント)

 

『蜷の綿-Nina’s Cotton-』は、50歳離れた藤田貴大さんが時間をかけてぼくのことを戯曲に書き上げてくれました。恥ずかしい気持ちはあるのですがとても面白いので、演出しようと決意していただけに、悔しい気持ちでいっぱいです。早く回復して劇場に戻ります!

 

 

(藤田貴大氏コメント)

 

蜷川さんが「やはり現場に来て、自分が演出をしたい」とおっしゃったのは、とてもポジティブなことだと、ぼくはおもいました。稽古初日に彼の姿はなかったのです。彼が不在のまま、作品が進んでいこうとしていました。

 

作品がいちばん良い状態でつくられていくこと、すなわち彼自身が演出を施していくことを、やはり彼は選んだわけです。

 

『蜷の綿』は彼自身の物語です。

 

長い時間をかけて、ぼくが彼にインタビューをしながら書き進めてきた作品です。ここ最近の彼の姿を見つめながら、ぼくが感じたことも正直に書いています。

 

「自分自身の身体が、だんだん自分の作品が存在する場所に行かせてくれなくなった」

 

彼は、そんな現実のなかで葛藤しています。身体はもうとっくに、ぼくらが想像できないくらい苦しいはずなのに、演出家としての彼はまだまだつくりたいともがいている。

 

だから、「やはり現場に来て、自分が演出をしたい」とおっしゃったのを聞いて、とてもうれしかった。彼が用意してくれたこんなにも大切な時間のなかで、ぼくは彼を待っていたいとおもいました。

 

『蜷の綿』という作品においては、ぼくもマームとジプシーも蜷川チームに付随するものだという自覚があります。チームの方針に合わせながら、ぼくらも動いていきたい。

 

彼がまた稽古場に戻ってくることができて、作品づくりの環境が整ったら、ぼくらも再始動します。その日まで、きちんと準備を進めていきながら、待っています。

 


藤田貴大さんから、
伊丹公演延期にあたり、コメントが届きました。

 

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みなさまへ

マームとジプシーの藤田貴大です。
三月に、伊丹にて「蜷の綿」という作品を公演するはずでしたが、それが叶わないということになってしまいました。
たいへん、申し訳ございません。

ひさしぶりの関西での公演ということで、たのしみにしていました。
しかし「蜷の綿」は蜷川幸雄さん自身のことを描いた作品なので、ぼくらだけが公演していくということはできないとおもいました。
彼の回復を、作品といっしょに待ちます。

マームとジプシーの作品が、近いうちに伊丹のみなさんと出会えますように。これから実現に向けて、準備していきたいとおもっています。

1.21  藤田貴大
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