現代演劇レトロスペクティブ
「何処でもない或る街の一角」のバス停留所に餓え死にした女が落ちてきた。真昼間に起こったこの事件の調査を探偵X氏が始めると、「そよそよ族」なる存在が浮かんでくる…。日本の不条理劇を確立させた別役実の初期の名作。

別役実(べつやく・みのる)

1937年、旧満州生まれ。劇作家、小説家、童話作家、随筆家。
早稲田大学在学中の1966年に鈴木忠志らと劇団「自由舞台」(後の「早稲田小劇場」)を結成。
1968年に劇団を離れたのちも、文学座や俳優座などに戯曲を書きおろし、劇作家としての活動を続ける。

戯曲以外に童話、評論も多数手がけ、特に生物学の常識を覆す奇書のふりをしたエッセイ『虫づくし』をはじめとした「~づくし」シリーズで、ナンセンス作家としても有名。
1967年、『マッチ売りの少女』『赤い鳥の居る風景』で第13回岸田國士戯曲賞、1971年、『そよそよ族の叛乱』で芸術選奨賞新人賞など受賞多数。1908年、「日本に不条理劇を定着させた長年にわたる優れた劇作活動」に対し朝日賞を受賞。1913年、日本藝術院会員に選ばれる。

現代演劇レトロスペクティヴ シアタートーク
ゲスト:ウォーリー木下 うぉーりー・きのした

sunday代表/オリジナルテンポ代表/劇作家/演出家

8月30日(土)19時の回、終演後のシアタートークに、本年度の現代演劇レトロスペクティヴで、安部公房『友達』を演出されたsundayのウォーリー木下さんにご出演いただきます! 不条理劇の世界に触れる同世代の演出家同士から、どんなトークが展開するか、ご期待ください!

ウォーリー木下プロフィール
1971年東京都出身。1993年、神戸大学在学中に劇団☆世界一団(現sunday)を結成。全作品の作・演出を務める。他にも演劇祭のプロデュース(PLAYPARK、多摩1キロフェスなど)や演劇ワークショップ講師などもつとめる。 特に役者の身体性を重視した演出が特徴。台詞を使わず、プロジェクションマッピングや日常音の拡張、視覚的なトリックを取り入れて演劇・映像・音楽・ダンスを融合させた作品が国内外で注目を集める。10カ国以上の国際フェスティバルに招聘され、エジンバラ演劇祭では五つ星を獲得。演出家として韓国およびスロヴェニアでの国際共同製作も行う。 近年の主な活動に、関西二期会オペラ『愛の妙薬』演出、観客体験型演劇『YOUPLAY』製作、東京パフォーマンスドールPLAY×LIVE『1×0』作・演出、『多摩1キロフェス』ディレクターなどがある。

日時
2014年8月 29日(金)   19:30
  30日(土)   15:00/ 19:00
  31日(日)   15:00  
料金(前売・予約・当日とも)
一般/前売=3,000円
U-25/2,300円(25歳以下・要証明書)
【日時指定・整理番号付自由席】
※予約引換・当日券販売/開演60分前。
※開場/開演20分前。
※開場時、ご購入・ご予約のお客様より順次ご入場いただきます。
※未就学児童の入場はご遠慮ください。

チケット発売日
2014年6月28日(土)

チケット取扱
チケットぴあ/ TEL=0570-02-9999
http://pia.jp/t[Pコード:437-768]
壁ノ花団/http://kabenohanadan.com
AI・HALL/072-782-2000(電話予約のみ)

お問合せ(キューカンバー)
TEL=075-525-2195
メール=info@cucumber-m.com
作/別役実
演出/水沼健
出演/金替康博、内田淳子、F.ジャパン、福井菜月、福谷圭祐
演出より

別役実といえばコント作家なのである。
そしていっぽう、わたしのことをいえば若いころ仲間たちといっしょうけんめいコントをつくっていた経験がある。
だからこの作品をつくるということはかんがえてみたら簡単な話のはずだ。

しかしそこのところをまちがえると簡単なはずのことがたいへんなことになってしまうのでもう一度確認しとこうぜと思う。
別役実といえばコント作家であり、わたしはコントをいっしょうけんめいつくっていたことがまあまあ、あるといえる。

あのころからずいぶん年齢も重ねて中年男性としての渋さもいや増しに増したし、作品に難解さを差し加えなければならないキャリアにもなったが、初心を取り戻せばいいだけだから大丈夫、簡単な話である。
別役実の文体をさわやかなコント空間の中に開放するためにどうしたらいいか、初心に戻って思い出すのみだ。

壁ノ花団 水沼 健


壁ノ花団
2004年、MONO所属俳優の水沼健が、自身の作品発表の場として結成。第一回公演『壁ノ花団』(2004年)が第12回OMS戯曲賞大賞を受賞。第四回公演『アルカリ』(2008年)では十三夜会奨励賞を受賞。第六回公演『ヤングフォーエバー』(2011年)で佐藤佐吉賞・最優秀照明賞(吉本有輝子)、最優秀舞台美術賞(西田聖)、優秀演出賞などを受賞。その他、代表作に『ニューヘアスタイルイズグッド』(2012年:第57回岸田戯曲賞候補)、『ザサン』(2013年)など。今年で結成10周年。