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“基礎から学べる”世界演劇講座ⅩⅥ
―君は<アングラ>を見たことがあるか―

令和3年7月26日(月)~令和4年2月21日(月)

令和3年
7月26日(月)、8月23日(月)<※延期>9月13日(月)<※延期>、10月11日(月)、12月20日(月)各回19:00~20:45《全5回》
※8月23日、9月13日の講義は、緊急事態宣言発出に伴い、延期となりました。延期日程につきましては、下記の通り決定いたしました。

◆延期後

7月26日(月)、10月11日(月)、12月20日(月)、令和4年1月24日(月)、2月21日(月) 各回19:00~20:45《全5回》

※7月17日現在、一回ずつの受講(1回1,500円)のみ、電話もしくはメールで受付しています。

講師/西堂行人(演劇評論家)、笠井友仁(演出家)

西堂行人
笠井友仁

 

 

 

 

 

 

会場/カルチャールームB
対象者/年齢や演劇経験は問いません。
定員/25名程度(申込順)
受講料/全5回一括5,000円(受付終了)
※1回ずつの受講もできます:1回1,500円。

20世紀以降の日本演劇史の中で、もっとも大きな出来事は、1960年代後半に起こった「演劇革命」だろう。近代を切断して現代への転生をはかったこの「革命」は、一般的に「アングラ演劇」や「小劇場運動」と呼ばれる。
だがこの演劇の全貌は、いまだ明らかになっているわけではない。唐十郎、寺山修司、鈴木忠志、佐藤信、太田省吾、瓜生良介ら、アングラ・小劇場の担い手たちは、すでに鬼籍に入った者もあり、歴史化されるとともに、風化も余儀なくされつつある。そこで、「アングラ」というキーワードを今一度検証し、革命と運動を確認し、あわせて現代演劇の原点であることを考察する。
1960代から70年代にかけての演劇を取り巻く状況は、一ジャンルにとどまらず、映画、音楽、美術等と連動しながら、その中核に演劇があったと考えられる。だがそれは試行錯誤の連続であり、未発の試みの中に豊かな演劇の可能性があったことも検証してみたい。
アングラ演劇は東京で発祥し、東京という都市文明の消長とともにあった。アングラ演劇は1960年代後半という世界史的な歴史の転換点と決して無縁ではない。パリの五月革命、米国のベトナム戦争、東欧社会の社会主義への抵抗。学生を中心とした若者たちの叛乱はとくに重要である。こうした世界との同時性を射程に収めた時、アングラ演劇は単なる東京という一都市の現象にとどまらない広がりと問題意識を提示するだろう。
アングラ演劇のキーワードでもあった「肉体」は、大きな問題系を投げかけた。言葉の優位性を疑い、近代という概念自体に挑みかかった。もはや、それは演劇というジャンルや日本という地域性を超えている。アングラ演劇は集団で生き、創造のプロセスを変え、従来の人間の生き方に対するオルタナティヴを探る試みでもあったのだ。

講座は、前半は問題提起のレクチャー、後半はビデオ映像を参照しながら、受講生とのディスカッションを中心に進めていく。

2021年4月


【第1回】7月26日(月) アングラのルーツ
1967年、アングラ演劇という言葉が誕生した。その背景には戦後になって興隆した新しい価値と近代の否定があった。無名の若者たちは自前の表現を武器に自己を主張し、従来の枠組みでは捉えきれない多様性があった。それは「アングラ」と名付けられた。

【第2回】8月23日(月) アングラは東京の若者文化だった
1964年の東京五輪を契機に、首都圏は大改造された。高速道路の整備と東海道新幹線の開通、ホテルや街の再編、こうした都市を象徴とする文明を切り裂いたのがアングラ演劇だった。それは都市論であるとともに、建築論であり、空間論にも波及した。
※緊急事態宣言の発出に伴い延期いたします。
 【変更前】8月23日(月) → 【変更後】10月11日(月)

【第3回】9月13日(月) アングラの言語と肉体
言葉による肉体の支配からの脱出を試みたアングラ演劇は、遠く高い射程を持っていた。暗黒舞踏を地下水脈とする肉体論は、やがて身体論へと接続された。文明や社会に対する批判的視座は、近代を遡行するとともに、21世紀へと進駐した。
※緊急事態宣言の発出に伴い延期いたします。
 【変更前】9月13日(月) → 【変更後】12月20日(月)

【第4回】10月11日(月) アングラと世界演劇
ギリシア劇からシェイクスピア劇を経てイプセンの近代市民劇へ、さらに20世紀の現代演劇へとつながる演劇史は、つねに革命によって更新されてきた。アングラはその幾度目かの革命であり、20世紀前半のアヴァンギャルドを捉え直す契機でもあった。
※緊急事態宣言の発出に伴い延期いたします。
 【変更前】10月11日(月) → 【変更後】2022年1月24日(月)

【第5回】12月20日(月) アングラは終わらない
21世紀になって、演劇はドラマとパフォーマンスに分極した。身体表現もまた変質し、身体なき身体までが演劇という枠組みで捉えうるものとなった。そこで演劇の原点を思考する時、アングラの試行してきた実験精神はその原点として鋭く共振する。
※緊急事態宣言の発出に伴い延期いたします。
 【変更前】12月20日(月) → 【変更後】2022年2月21日(月)

講師

西堂行人(にしどう・こうじん)
演劇評論家。1970年代末からアングラ・小劇場運動に随伴しながら批評活動を開始。80年代後半から海外の演劇祭などを視察し、独自の世界演劇論を構想。90年代より、ドイツの劇作家ハイナー・ミュラーのプロジェクトと韓国演劇との交流に力を注ぐ。主な著書に『演劇思想の冒険』『ハイナー・ミュラーと世界演劇』『韓国演劇への旅』『現代演劇の条件』『劇的クロニクル』『[証言]日本のアングラ』『唐十郎特別講義』(編著)『蜷川幸雄×松本雄吉』。近著に『日本演劇思想史講義』。2017年より明治学院大学文学部芸術学科演劇身体表現コース教授。

笠井 友仁(かさい・とものり)
演出家。1979年大阪府八尾市生まれ、宮城県仙台市出身。2001年に近畿大学文芸学部芸術学科舞台芸術専攻を卒業。その後、エイチエムピー・シアターカンパニーを結成し、08年3月まで代表を務め、現在まで全作品の演出を担当している。14年6月から20年6月までNPO法人大阪現代舞台芸術協会の理事長を務めた。主な演出作品にアイホール現代演劇レトロスペクティヴ『阿部定の犬』、メイシアタープロデュース公演 SHOW劇場『少年王國記』など。05年に若手演出家コンクール優秀賞、14年に文化庁芸術祭演劇部門新人賞、20年に大阪市咲くやこの花賞受賞。

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