■作/ 北村 想
■演出/ 深津 篤史
■出演/ 青山 祥子、石塚 博章、大森 一広、小笠原 聡、小野 亮子、亀岡 寿行、久保田 智美、
阪田 愛子、佐藤 あい、神藤 恭平、得田 晃子、中村 京子、はしぐち しん、濱 奈美、
速水 佳苗、福良 千尋、橋本 健司、長谷川 一馬、原 綾華、丸山 英彦、南 勝


 群像のロマンを目指し、奔放な語り口で定石外れのウソを描こうとした織田作之助。その精神を受け継ぎ虚構をでっちあげ、織田の小説から夫婦のありようや下町の人間模様になつかしい大阪の人情をにじませた『オダサク、わが友』。本作は北村想が脚本を書き下ろし、新国立劇場での作品で評価の高い深津篤史が演出を手掛け、2011年3月に初演されました。今回、初演時のキャストに、新たなメンバーも加わり、予断を許さない関西の演劇状況の中で、再び、浪漫を求めた人情劇を織り成します。


 太宰治の『織田君の死』(新潮文庫「もの思う葦」所収)はこう始まる。「織田君は死ぬ気でいたのである」のボディー。そうして、「世のおとなたち(中略)は、したり顔の批判を与えるかも知れないが、そんな恥知らずの事はもう言うな!」とワンツーの連打。さらに「織田君を殺したのは、お前じゃないか」と、カウンターが一発きて、「織田君! 君は、よく、やった」のアッパーで終わる。短文だが、太宰の思いの丈はいい尽くされている。私も他にいうことはナイ。おそらく盟友、川島雄三もまた同じ気持ちであったに違いない。サヨナラだけが人生でもナイ。哀しみもまたさだめの人生だ。

北村 想


 過去の私に一言だけ声をかけられるとしたら、二十数年前の演劇の世界の地べたを這いずっていた私に、ずいぶん先になるけど君はいつか北村想さんの新作を演出することになるよって言ってあげたい。芝居をやめて音信不通になった大昔の友人に一個だけ自慢していいって言われたら、想さんの新作演出するねんって言いたい。私にとって想さんはそういう人だ。オダサクはそういう作品だ。未だに面と向かってうまく喋れない。うまく喋れないので演出がんばりますね。

深津 篤史


■日時
平成24年11月 2日(金)  19:30
3日(土) 15:00/19:30
4日(日) 11:00/15:00

※受付開始:開演45分前。開場:開演30分前。

■チケット

一般/前売=3,000円 当日=3,500円
学生/前売=2,000円 当日=2,500円
【日時指定・全席自由】
※未就学児童のご入場はご遠慮ください。

■チケット取扱い

9月1日より発売
DIVE事務局
 メール:diveosaka@gmail.com
 WEB予約:http://www.ocpa-dive.com/
アイホール
 TEL:072-782-2000
 メール:info@aihall.com 
※前売券は、アイホールの事務所窓口でご購入いただけます。

■スタッフ

舞台監督 / 久保克司、舞台美術 / 池田ともゆき、照明 / 葛西健一、照明操作 / 池辺茜、
音響 / 大西博樹、音楽 / ノノヤママナコ、衣裳 / はたもとようこ、映像操作 / サカイヒロト、
宣伝美術 / 清水俊洋、演出助手 / 中村賢司、高橋恵

■お問い合わせ

DIVE事務局 メール:diveosaka@gmail.com
アイホール Tel:072-782-2000  メール:info@aihall.com Twitter:@ai_hall


■あらすじ
 戦前戦後の文学界に「無頼派」と称される作家が在った。坂口安吾、太宰治、そうして織田作之助である。 安吾と太宰は全国的にもてはやされ、いまに読み継がれる作品も多いが、織田作之助は『夫婦善哉』があるのみで、多くの斬新な文学や評論を知る人は少ない。また、太宰や安吾に比して、その人間像もあまり表に現れることがナイ。『オダサク、わが友』は、この大阪の無頼派、織田作之助にspotlightをあてた作品である。



深津篤史(ふかつ・しげふみ)
 劇作家・演出家・桃園会主宰。同志社大学の学内劇団を経て、1992年に「桃園会」を旗揚げ。ほぼ全作品の作・演出を務める。『うちやまつり』で1998年第42回岸田國士戯曲賞受賞。また、演出家としても新国立劇場の岸田國士作品上演企画で『動員挿話』を演出し、2005年読売演劇大賞優秀演出家賞、作品賞を受賞した。外部への書き下ろし・演出も多く、ワークショップの講師としても活躍。


主催:伊丹市、公益財団法人伊丹市文化振興財団、NPO法人大阪現代舞台芸術協会(DIVE) 
企画製作:アイホール、NPO法人大阪現代舞台芸術協会(DIVE)

平成24年度(第67回)文化庁芸術祭参加作品
平成24年度 文化庁 地域発・文化芸術創造発信イニシアチブ
初演:DIVE×メイシアター合同プロデュース SHOW劇場Vol.5(2011年3月)
著作権認可番号 ©So kitamura2012 No.17 小堀純事務所